娘が初めてホームカミングに参加してきました。
ホームカミングはアメリカの高校生活の一大イベントのひとつ。
娘も私も初体験なので楽しみにしていましたが、わが家では裏でもうひとつの一大イベント(クオリティタイム2017)も同時開催されていました。
ホームカミングって?
アメリカの高校では大体秋ごろにホームカミングという、学校をあげてのイベントが行われます。
1週間の行事で、毎日チームごとにドレスアップして学校へ通学します。
70年代の服装がテーマだったり、パジャマやヒーロー、スポーツなど、テーマは様々。
授業は普通にその格好で受けるんだそう。
ほかにも、ディスカッション大会や投票でホームカミングキングとクイーンを選ぶなど1週間ずっと楽しい雰囲気が続きます。
そして金曜日、ホームカミングでもっとも盛り上がる行事、学校対抗アメリカンフットボールの大会をみんなで応援します。
ここでクラスの一体感が生まれ、学園生活がより楽しくなるんだそうな。運動会が懐かしいねぇ。
ダンスパーティーで着飾る女子たち
これで終わりかと思いきやフィナーレがあります。
それはダンスパーティー。女子たちはここで本気を出します。生徒だけでなくお母さんたちも気合が入るんです。
最高のおめかしをして娘を送り出します。衣装やヘアサロンで平均300~400ドルくらいはお金をかけるんじゃないでしょうか。
みんな可愛いドレスに身を包むのですが、衣装は一年限りで次の年には着ることがないので、不満なお母様方がいるとかいないとか。
わが家はもちろん、レンタルアンドレンタルです。かつアンドかつですから。
心優しい友人の方々に衣装をお借りしメイクまでしていただきました。
娘いわく、ダンス会場には、DJがいたり、ディスコボールがあったり、カップルで堂々といちゃついていたり、度肝を抜かしたそうです。バブリー時代を彷彿とさせます。
リムジンで会場に颯爽とやってくるお金持ちのご子息もいたり、私には想像もできない世界です。
いや、テレビドラマやハリーポッターでも見たことあるな。あのまんまの世界があるんだと悟りました。はい。
で、終わったら近所のファストフード店みたいなところでみんなで遊ぶ。これがホームカミングみたいです。帰ってくるのは夜の9時を回ります。
私は学生時代を日本で過ごしましたが、なんだかまったく世界が違いますね。
華々しい姉への対抗意識
優雅に高校生活を満喫する長女の裏で、私はある相手と戦っていました。
その相手とは長女と年が10歳も離れている末っ子の次女。
最近、次女の長女への対抗意識がすごい。
長女が持っているものは何でもほしいし、やってることは全部まねしたい。
まぁ気持ちはわかるがさすがに、年の差10歳はいろいろと無理もでてくるよ。
ドレス着て、メイクして、パーティーになんか行かせてあげられないわ。
こんなドレスみせたら絶対大泣きしてほしがるのは目にみえます。
ということで、この1週間なんとか娘にドレスを見せることなくやり過ごすため、娘の動向にかなり用心していました。
ドレスで帰宅する長女を隠すべく
なんとか次女にドレスを見せないよう、特にダンスパーティーがあるホームカミング最終日は長女が帰ってくるまでに寝かそうと必死に頑張っていました。
しかし、寝ない・・・。長女がいないから余計寝ない。・・・寝ない。
これはやばい。
そんなこんなしているうちに長女が帰ってきた。
事前の示し合わせのとおり、長女には一直線で部屋に向かってもらった。
途中、長男と次男に見つかり、一瞬ヒヤッとしたが、
彼らの口からは「何それ?きも~。」とドレス姿をケラケラ笑われていた。
よかった、よかった。大して興味がなさそうだ。
良かったのか?娘がきも~と言われていたが・・・。
まぁとにかく次女だけには見せてはいけないのだ。
これで一見落着かと思った瞬間、男たちの笑い声を聞いていた次女。
何かを感じ取ったのか、猛ダッシュで長女の部屋へ突入するではないか。
これはやば~~い、おいお~い!!
母の迫りくる手を振りのけてドアをガチャ。
ドレスは何とか着替えていたが、メイクと髪の毛がそのまま。
一瞬で奇声を上げる次女。
おっ、万事休す。
このまま夜中にメイクとヘアメイクを4歳の娘に施すママでありました。
と、ここで終わればまだ良かったんですが、今度はあいつがやってきた。
一件落着したら、二件目がやって来た!?
次男。
さっきまでケラケラ笑っていたあいつだ。
なぜか「ずるい~、ずるい~!」と叫んでいる。
なんだかわからないが、長女が楽しそうなところから帰ってきたのがずるいのだそうだ。
次女になぞのナイトヘアメイクをしている横で騒ぎ始めた。
やめなさいと叫んでも逆効果だ。
どうしよう、どうしようと週末の夜にも関わらずあまりのはちゃめちゃさに頭が朦朧としている母。
そこに、長男がぼそり。
「クオリティタイムが足りてないねん(英語で)」。
はっ!?クオリティータイム!?
大切な存在と1対1で過ごす充実した時間。なんか聞いたことある。
子供は親と触れ合う時間を多く求めているわけじゃなく、意味ある時間を親と過ごしたいんだと。
確かに、足りてなかったかも知れない。忙しさを理由に子供たちと真剣に向き合ってなかったかも知れない。反省しないと・・・。
えっ?ちょっと待って?わたし誰から何言われてんねんっ!
君、中学生ちゃうんか!長男よ!
クオリティタイムとかどこで仕入れてきた言葉や。
親に対してクオリティタイム不足とかどこぞのカウンセラーや。
そんな鋭い刃で母の心を突き刺すな。図星も図星だ。
しゃあない、クオリティタイム持ったろうじゃないか。
クオリティタイム決行
大混乱の翌日、クオリティタイムを早速決行することにした。
次女はペットショップに連れて行ってハムスターを触らせてあげた。動物好きなので大満足だ。よかった、よかった。
次男はマリアーノスのミニサイズのアイスを買っておしゃべりした。なぜだか分からないが、いつの間にか人生について語りあっていた。非常に満足した表情だ。よかった。
クオリティータイムの長男は、僕はハッピーだから必要ないといって何も要求しなかった。
えっ?こんな子にいつの間に育ったん?
どうなってんの?長男よ。
わけわかめや。ミーニング・シーウィードや。
これは、日本食スーパー「てんすけ」に連れて行って何か好きなもの買ってあげるしかないな。
そう思って、お店に連れてってあげたら、なんとっ!?
無料で綿菓子、カキ氷がもらえるイベントをやってるじゃないか!
なんという奇跡。
息子の大好物の甘いものじゃないか。人生うまいこといって楽しいんやろうな、長男よ。
巨大綿菓子とカキ氷にかぶりつく息子。
何もいらないと言っていた割には、勝手にカキ氷2杯目をもらいに行ってる息子。
そんなズルはいかんぞと注意しようとしたら、真っ白なカキ氷を手に持ち、満面の笑みで
「これ、シロップかかってないねん」と一言。
「そっか、シロップかかってないからオッケーか・・・・・?」、何もいえない母。
てかあんた、控えめに行っても、体型は限りなく球に近いんやで。
食べすぎたらあかんとあれほど・・・。
そこで、ふと気づく。
そう、長男は食べることが大好き。長女や次男がぜんぜん食べないので、長男がたくさん食べても見逃してきた。
むしろ、あまり物も積極的に食べさせてきた。あまり物でぶくぶく太る私からのおすそ分けだ。
息子も嫌がることはない。なぜなら息子にとって食べることが、最大の欲求を満たしてくれる、そうこれこそが彼のクオリティタイム。きっとそうだ。そういうことだ。
つまり、このまま長男にはこのままクオリティタイムを続けて・・・・・・・いやいや、あかんあかん。
ダイエットさせな。